2016-01-28

【連載企画】第一回これが私のバイブル本!

こんにちは、ネットワークデザイン事業部の高橋です。
前回のブログ「仕事の報酬は仕事」から11ヶ月ぶりの更新です。前回のブログを公開後、社内では大きな反響がありました。
まだ、読んで無い方は是非、前回の記事も合わせて是非ご覧ください。

さて、2016年のモレーンのスタッフブログは「これが私のバイブル!」をテーマに連載記事として書かせていただきます。
個性的な社員が多いので、どんな本を紹介されるのか私自身も非常に楽しみにしていますが、第一回目は私のバイブル本の紹介させていただきます!

※バイブルとは、常に指針を求めて読み返すの本こと。または、座右の書を指します。

私のバイブル本は何冊かありますが、本日はこちらをご紹介いたします。

自省録

タイトル「自省録」

著者:マルクス・アウレーリウス
翻訳:神谷 美恵子
出版社:岩波書店

まず、自省録ってどんな内容の本かと申しますと。
書いた人のマルクス・アウレーリウスとは、古代ローマ帝国の皇帝の一人。
原題は「タ・エイス・ヘアウトン」で「彼自身へ」という意味のようです。(彼とは自分のことを指します)
内容はマルクスアウレーリウスが残した手記の伝承であり、決して誰かのために書いたものではありませんので、短い散文の集積であり、自分自身への哲学的思想が綴られており著者の激しい人間性への追求がみられる一冊です。

精神的につらい時や心が折れそうな時、不安な時に読む

私は、周りからの指摘やさまざまな本を読んで自覚したことですが、※1社会不適合者あるいは※2社会未成熟者だと自覚しています。

※1,2私のいう社会不適合者・社会未成熟者とは、社会多数派側からみた社会少数派側の人間のことを指します。細部にわたる説明はここでは割愛させていただきます。

今まで色んな経験や影響を受けて社会少数派の気質を兼ね備えた私にとっては、とても生きにくい世の中だと感じています。
自分自身で生きにくくしていることも自覚しておりますが、これが自分らしい生き方として日々現実と向き合い思索し続け自分の思想を気づき"目的"に向かってしっかりと生きることを決めました。

現実と向き合い生きることを決めたのは良いものの、現実と向き合っていると現実に押し潰されそうになったり、心が折れそうな時や不安に襲われ気晴らしに逃げたくなることもあります。なぜなら、まだ自分の中で自分の思想や覚りがはっきりとした輪郭も形成されておらず、自分の言葉で自分の思想を言語化出来ていないことから来る現象だと今は思っています。

そんな時に、バイブルである「自省録」を手に取るようにしています。
自省録にはどんな言葉詰まっているのか、いくつか引用してみます。

「君に害を与える人間がいだいている意見や、その人間が君にいだかせたいと思っている意見をいだくな。あるがままの姿で物事を見よ。」

「君は理性を持っているのか?「持っている。」それならなぜそれを使わないのか。
もしそれがその分を果たしているならば、そのうえ何を望むのか。」

「顔は従順に心の命ずるがままの形を取り、装いをつけるのに、心自身は自分の思うがままの形も取れず、装いもつけられぬとは恥ずかしいことだ。」

「君の不幸は他人の指導性理性の中に在するわけではない。また君の環境の変異や変化の中にあるわけでもない。しからばどこにあるのか。なにが不幸であるかについて判断を下す君の能力の中にある。ゆえにその能力をして判断を差し控えさしめよ、しからばすべてがよくなるであろう。たとえそのもっともも近い隣人、すなわち小さな肉体が切断され、焼かれ、化膿し、壊疽に陥っても、これらのことについて判断を下す部分をして平安であらしめよ。すなわち悪人にも善人にも同じように起こりうることを、悪とも善とも判断せしむるな、なぜならば、自然に反した生活をなす者の上にも自然にかなった生活をなす者の上にも同じように起こってくる事柄は、自然にかなうことでもなければ自然に反することでもないのである。」

引用元:自省録 - マルクス・アウレーリウス - 神谷 美恵子 訳 (P54-11,P54-13,P64-39,P128-37)より

いかがでしょうか?
心に響く文章はありましたか?
改めて言いますが、これらの内容はあくまで"自分自身"への言葉です。

人間の行動全てにおいて"無"から生み出すことは不可能だと思っています。
人間の行動とはすべて外からの影響を受けて行動します。
つまり、マルクス・アウレーリウスが自分自身のために、書き記すという行動起こすキッカケ(外からの影響)があったと推測することが出来るのではないでしょうか。
それを踏まえて読むと、時代は違えど通じるものがあることを感じます。
私のような気質を持った人間は、自省録に綴られている言葉を目にすると励まされ心の糧になり、精神的不安や苦痛が取り除かれます。

私のバイブル本である「自省録」が万人受けする内容の本ではございません。
どちらかと言うとペシミズム(悲観主義)の気質の人や、仕事や人生に悩みを抱えている人に良い影響を与えられる一冊かもしれません。
もし、そばに悩みを抱えている方がいたらこの本を紹介してみてはいかがでしょうか。

それではまた。

ネットワークデザイン事業部:高橋